almost no memory

漫画、ミステリー小説、ハロプロ、海外ドラマが好き。外出は本屋とIMAXシアターとハロ現場。

ページを繰る手が止まらなかった『夫のちんぽが入らない』

夫のちんぽが入らない

夫のちんぽが入らない

タイトルからしてセンスのかたまり。面白い。なにこの面白さ。文章がするすると頭の中に入ってくる。文学的表現というと高尚な感じになるけど、たとえや表現に気負ったところはないのにドンピシャで読者にその表現がしっくりこさせるというか。やはり文章がうまい。20年の話と思うとそれぞれに展開は早くも思えるが、とにかくページを繰る手が止まらなかった。

そして想像以上に、ちんぽが入らないことに関する話だった。まえがき読んだ時は、魂のむすびつきみたいな話かと思ったが、そんなファンタジーなところはなく、切実で苦悩する日々の中にでもそれだけが生活でもないことも綴られ、むしろ生活の中のしこりのように、ちんぽの入らさなさが存在していた。

なぜこの性格で著者が教師という職を選んだのか全然分からない。
妻が病んでいく過程で夫はなぜ気づかないんだ、なにもしないんだと思ってたけど気づいていたんだろうな。夫がどういう人物なのかもこの話ではほとんど実像がつかめない。あっけらかんとした明るい人のようでもあるが、それだけのはずがない。なぜたった2日で交際を申し込んだのか。どういう風にちんぽの入らなさを受け入れていったのか。
でも、当事者の一人である妻にも分からないことかもしれないし、書く必要を感じなかったのかもしれない。

これは小説ではなくエッセイなので、あくまでも著者から見た部分しかわからず、夫は、著者を苦しめたミユキはどう思っているのかがわかることはない。小説なら掘り下げられそうなところが掘り下げられてなかったりもする。
そういう分からない部分もたくさんある本だけどとにかく、面白かった。

小説とか何を読んでも最近集中できないと思ってたけど、面白い話を読んでなかっただけなんだ。
オチが気になるとかじゃない、瞬間瞬間、ただその続きが読みたい。素晴らしい読書体験。心地よい読書体験だった。